出張講座JASRACラーニングスクエア
お申込みフォーム東映アニメーション音楽出版株式会社主催の講座「音楽利用のルールとしくみ~原盤・出版とは?~」が開催されました
はじめに
2025年11月19日、JASRACラーニングスクエアの出張講座が、東映アニメーション音楽出版株式会社の主催により開催されました。その内容と当日の様子をご紹介します。
1 応募者について
アニメ製作会社の東映アニメーションが手がける「ドラゴンボール」「ONE PIECE」「プリキュア」「おしりたんてい」シリーズなどの人気作品は、日本はもちろん世界各国でも高い支持を得ています。そして、これらの作品で使用される音楽の制作や著作権の管理を担っているのが、今回の主催者でありグループ会社でもある東映アニメーション音楽出版株式会社です。
応募者である東映アニメーション音楽出版の立石さんは、社内で著作権や音楽利用に関する問い合わせを受けることが多く、アニメの制作現場や営業で必要となる音楽の著作権の知識をグループ全体であらためて学び直す必要性を感じていたことから、JASRACラーニングスクエアにお申込みされました。
2 講師について
今回の講座では、池村聡弁護士(三浦法律事務所)と、JASRAC職員の大西の2名が講師を務めました。
池村弁護士は、知的財産やIT・エンターテインメント分野等の法務を専門としており、『実務者のための著作権ハンドブック』(共編著、CRIC、2022年)など著作権に関する著書を多数執筆されています。
大西は、JASRAC複製部の職員で、広告・ゲーム・映画における音楽利用に関するライセンス業務を担当しています。今回の講義では、広告目的で音楽を利用する場合の著作権手続きについて説明を行いました。
3 受講者について
受講者は、東映アニメーション株式会社および東映アニメーション音楽出版株式会社の従業員256名です。講義会場には31名、サテライト会場となった練馬区の大泉スタジオには7名が参加し、そのほか多くの方々がオンラインで受講されました。
4 当日の様子・講義の内容について
今回の講義は、14 時から約 90分間、次の2部構成で行われました。
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第1部:音楽著作権の基礎知識~出版権とは?原盤権とは?~(池村弁護士)
第2部:音楽利用のルールとしくみ~広告目的の利用を中心に~(大西)
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池村弁護士は冒頭、「なぜ著作権が法律によって保護されるのか。」と受講者に問いかけ、「著作者への対価の支払いが新たな創作を促し、文化の発展につながるからである。」という、いわゆる「創造のサイクル」と呼ばれる考え方の説明から講義を始めました。
続いて、著作権侵害の判断基準に話題が移り、「どの程度似ていると著作権侵害になるか。」というテーマについて、具体的な裁判事例を多数紹介しました。実際の歌詞や楽譜とともに裁判所の判断を示すと、個別の状況に応じた判断となり、一律の基準がないことに受講者は驚き、一層興味深く講義に聞き入っていました。
その後、応募者の業務とも関わりの深い実演家やレコード製作者の著作隣接権について、事例に当てはめながら解説。また、近年相談が多く寄せられているフリー音源の利用については、利用条件の確認が重要であること、生成AIの利用時には既存の著作物に類似した生成物が出力される可能性があることなどに言及し、トラブルになって炎上しないためのアドバイスを送って講義を締めくくりました。
続く大西の講義では、事前に実施した社内アンケートで最も要望が多かった「広告で音楽を利用する際の著作権手続き」について、基本的な手続きの流れについて注意点を整理しながら説明しました。
大西は、音楽を適正に利用するための手順として「許諾が必要な権利の整理」「権利関係の確認」「許諾申請」という3つのステップを紹介。また、プロモーション映像に音楽を利用するケースを例に、JASRACの作品検索データベース「J-WID」を使って権利関係を確認する方法を示すなど、実践的な内容で受講者の理解を深めました。
5 アンケートの結果
当日参加された受講者の皆様にはアンケートをお願いし、次のようなご意見をいただきました。
・業務で音楽や映像の著作権を扱うことがあるため、実務に役立つ内容だった。
・これまであいまいに理解していた点を整理し、正確に学び直すことができた。
・著作権の基礎から体系的に理解でき、実例を交えた説明により業務でどのような点に注意すべきか具体的にイメージできた。
このほかにも、「音楽著作権を学ぶ機会が少ない中で、非常に有意義な講義だった」など、好意的なご意見を多数いただきました。
最後に
ご応募いただいた立石さん、受講された東映アニメーション株式会社および東映アニメーション音楽出版株式会社の従業員の皆さま、この度はありがとうございました。
出張講座JASRACラーニングスクエアでは、今後も様々な講座の開催を予定しています。
(文責:事務局員)
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