寄付講座 JASRACキャンパス

寄付講座JASRACキャンパス

大分県立芸術文化短期大学(大分県大分市)で、JASRAC寄付講座「デジタルコンテンツプロジェクト」が開講されました

2026年03月05日
大分県立芸術文化短期大学(大分県大分市)で、JASRAC寄付講座「デジタルコンテンツプロジェクト」が開講されました

 大分県立芸術文化短期大学(大分県大分市)において、2025年9月16日、JASRAC寄付講座「デジタルコンテンツプロジェクト」が開講されました。この講座は、「寄付講座JASRACキャンパス」の2024年度募集に採択され、JASRACの寄付により設置されたものです。

 寄付講座の担当教員を務める情報コミュニケーション学科の野田佳邦准教授に、応募に至った背景や講座で提供したい学びなどについて話を伺いました。

野田佳邦准教授

――SNSや生成AIが普及するにつれて、著作権の重要性もさらに高まっていますが、大学として著作権教育を行う意義をどのように捉えていらっしゃいますか

 日々膨大な情報が生み出され、瞬時に行き交う現代において、誰もが情報の「使い手」であると同時に「創り手」でもあります。だからこそ、情報に向き合う姿勢やそれを取り扱う能力を身につけることが求められています。
 そうした姿勢や能力の土台となるものが著作権です。著作権の理解が不十分なままでは、思わぬトラブルや権利侵害を招くリスクもあります。大学として、学生が著作権の正しい理解を身につける環境を整えることは、今後ますます必要となっていくでしょう。

――「寄付講座JASRACキャンパス」への応募を決断した理由やその背景についてお聞かせください

 応募を決めた最大の理由は、テーマや内容を自由に設定できることに魅力を感じたためです。
 私の研究室ではこれまで、アニメーションやボーカロイド作品といったデジタルコンテンツの創作・発表を通じて、地域や社会が抱える課題の解決に取り組んできました。これらの活動は、問題解決型学習(PBL)として、課題の発見から解決策の立案・実行までを一貫して経験できることから、学生にとって貴重な学びの機会となっています。
 そしてこの取り組みを研修室に留めず、大学内へ広げていこうと考えていたところ、テーマを自由に設定できる「寄付講座JASRACキャンパス」の募集を知りました。そこで、大学として取り組むべき著作権教育とこれまで培ってきたPBLを組み合わせることで、より多くの学生に学びの機会を提供できると考え、応募を決断しました。

野田准教授の研究室におけるコンテンツ創作の一例

――応募にあたっての大学内での反応はいかがでしたでしょうか

 本校として初めての寄付講座への応募だったため不安もありましたが、思い切って企画してみたところ、大学内の関係各署から「せっかく寄付を受けられるチャンスですから、しっかり形にしましょう」と前向きな声があがりました。手続きや準備についても積極的に協力していただき、無事に応募までたどり着くことができました。

――今回の寄付講座を設計する中で、工夫されたポイントについてお聞かせください

 本講座では、「社会課題の解決」をテーマとしたデジタルコンテンツの制作に取り組みます。前半は、著作権法の基礎や権利処理の方法などを座学形式で学びます。さらに、コンテンツホルダー、クリエイター、業界団体のゲストスピーカーをお招きし、それぞれの視点からのお話を通じてデジタルコンテンツ業界の現状と課題についても学びます。後半はPBL形式で、学生がチームを組んで社会課題の解決を目指すアニメーションの制作にチャレンジします。初年度は学内コンペによって外部委託するチームを選出し、選出チームはプリプロダクション工程に力を注ぎました。
 社会課題をどのように解決へ導くのか――学生はアニメーションの構成・キャラクター設定・メッセージの届け方・視聴者の興味を引く演出など、試行錯誤しながら作りが上げていきます。こうしたプロセスを通じて、学生が情報の「使い手」から「創り手」へと視点を移し、その立場から著作権を捉え直してより深く理解できるよう工夫しました。
 このような講座を実現できたのは、JASRACキャンパスならではの自由なテーマ設定のおかげだと感じています。

――この講座を通じて、学生にどのようなことを身につけてほしいと考えていますか

 学生に身につけてほしいのは、「自ら考え、創り、発信する力」です。情報化が進むこれからの社会では、知識を受け取るだけでなく、自分の言葉や表現で社会に発信していくことが一層求められます。
 そのためにも、著作権を正しく理解し、責任を持って表現・発信できる力を育んでほしいと考えています。こうした力こそが、これからの時代に直面するさまざまな課題に向き合い、解決へと導く原動力になると期待しています。

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 寄付講座を通じて未来を切り拓く――大分県立芸術文化短期大学で開講された寄付講座「デジタルコンテンツプロジェクト」は、著作権への正しい理解を深めながら、主体的に社会へ発信できる力を育むことを目指した取り組みです。

 JASRACでは、寄付講座を通じて教育機関における著作権の教育・研究を支援し、音楽文化や著作権が尊重される社会の実現を目指しています。ぜひ多くの大学にご関心をお寄せいただければ幸いです。