寄付講座JASRACキャンパス
早稲田大学大学院法学研究科(東京都新宿区)で、JASRAC寄付講座「著作権法特殊講義―理論と実務の最前線」が開講されました
早稲田大学大学院法学研究科(東京都新宿区)において、2025年10月7日、「著作権法特殊講義―理論と実務の最前線」が開講されました。この講座は、「寄付講座JASRACキャンパス」の2024年度募集に採択され、JASRACの寄付により設置されたものです。
今回、寄付講座の担当教員である早稲田大学大学院法学研究科の上野達弘教授に、講座の狙いやJASRACキャンパスへの期待について伺いました。
――「寄付講座JASRACキャンパス」は公募型の寄付講座ですが、実際に応募してみて、どのような点に魅力を感じましたか。
公募型の講座は、教員自らが手を挙げて企画できる点が大きな特徴だと思います。通常の寄付講座では、寄付する側が設定したテーマに沿って講義を行うことが一般的です。しかし、JASRACキャンパスでは、寄付を受ける大学側がテーマづくりから自由に取り組むことができます。そのため、自然とモチベーションが高まり、アイデアも広がりました。結果として、独自性のある講座を形にすることができたと感じています。
――本講座では毎回、研究者と実務家がペアを組んで講義を行っています。このような形式を採用した狙いは、どこにあるのでしょうか。
研究者と実務家がペアを組むのは、それぞれの強みを相互に補完するためです。研究では、様々な理論的可能性を探求し、見解を広げていくことが求められます。一方、実務では、そうした見解を踏まえながら最終的に一つの結論を導かなければなりません。だからこそ、受講者には、理論がもたらす広い視野と、実務で求められる結論を見極める視点の両方を行き来できる力を身につけて欲しいと考えています。
しかし、通常の授業では、実務的な視点を十分に取り入れることは容易ではありません。そこで、寄付金を活用して、外部の研究者や実務家を招いてペアで一つのテーマを語っていただく形式を採りました。これにより、理論を深めつつ、実務の現場での判断基準も学べる講義が可能になります。このように柔軟な構成を実現できるのも、寄付講座ならではだと感じています。
――この講座は法曹を目指す学生が主な対象と伺っていますが、学生にはどのようなキャリアや専門性を身につけて欲しいとお考えですか。
今回の寄付講座において、受講者が第一線で活躍する研究者や実務家と直接触れ合うことは、将来のキャリアを具体的に描くうえで大きな助けになります。ここでの経験や人とのつながりが、法曹としての進むべき道を考えるきっかけになるかもしれません。
将来的には、ここで培った知識や経験を活かし、紛争解決や権利保護といった実務を通じて社会課題の解決に取り組む法曹へと成長していくことを期待しています。
――海外の研究者を招いた特別講座を実施される点も本講座ならではの特徴だと思います。特別講座を企画された意図や、一般公開する理由をお聞かせください。
海外の研究者を招いたのは、受講者に国内だけでなく海外の議論や動向にも目を向けて欲しいと考えたからです。
また、寄付講座は社会の支援によって成り立っており、講座で得られた知見は大学内にとどめず社会へ還元していくことも重要だと考えています。こうした理由から特別講座を一般公開しています。
――最後に、「JASRACキャンパス」について今後どのような広がりや発展を期待されているか、お聞かせください。
JASRACキャンパスの魅力は、大学側が強みや特色を生かして著作権に関する講座を設計できる点にあると思います。例えば、音楽大学が音楽ビジネスに特化した講座を展開するなど、「その大学ならでは」の企画が生まれることで、この枠組みはより活性化していくでしょう。
そうやって多彩な講座が積み重なっていけば、学びの幅が一層広がり、著作権やJASRACの業務への理解も深まるはずです。今後も、さまざまな大学が独自のアイデアを形にすることで、寄付講座の可能性がさらに広がっていくことを期待しています。
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寄付講座を通じて未来を切り拓く――早稲田大学大学院で開講された「著作権法特殊講義―理論と実務の最前線」は、理論と実務を架橋し、著作権に関する高度な専門性と問題解決力を備えた法曹の育成を目指す取り組みです。
JASRACでは、寄付講座を通じて教育機関における著作権の教育・研究を支援し、音楽文化や著作権が尊重される社会の実現を目指しています。ぜひ多くの大学にご関心をお寄せいただければ幸いです。